2017/09/07
防災・危機管理ニュース

国土交通省は津波防災地域づくりや、浸水リスクを低減する砂浜の保全について検討を進める。6日「津波防災地域づくりと砂浜保全のあり方に関する懇談会」の第1回会合を開催した。海岸堤防の整備やその背後地の利用や砂浜保全へモニタリングや管理を考える。
2011年の東日本大震災の教訓から、地域づくりと津波対策を一体で進めるための津波防災地域づくり法が同年に成立した。ただし現在の進捗状況は津波浸水想定が32道府県で設定されているものの、津波災害警戒区域の指定は6府県、津波防災地域づくり推進計画を作成したのは9市町にとどまっている。
津波対策は海岸堤防の整備のほかに、その背後地をどう利用するかも重要となる。例えば景観への配慮などで堤防が高くない地域において、背後地に避難施設や津波防護施設を整備したり、避難体制の強化を図ったりといった対策をとることも考えられる。ハード・ソフト両面で、地域性を考慮した津波対策をどうやって行うかを検討していく。
砂浜は景観や環境への好影響のほかに、波に対する浸水の防止効果もある。砂浜があると岸での波を弱めるが、砂浜の侵食が進むと堤防前面の水深が深くなり、波が強くなることで防波堤を海水が越えていくようになる。また宮崎県の宮崎海岸では、自然の堤防の役割を砂丘が果たしており、その砂丘を守るために、砂を詰めた大型の袋であるサンドパックの壁を作っている事例もある。砂浜保全へ管理基準の設定やモニタリング方法のほか、砂浜の果たす役割の定量化や見える化なども検討する。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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