2017/08/31
防災・危機管理ニュース

デロイト トーマツは30日、「グローバルビジネスリスク記者勉強会」を開催。デロイト トーマツ企業リスク研究所主任研究員の茂木寿氏が、日本やアジアにおける台風・洪水被害とビットコインによるマネーロンダリングについて解説した。
6~11月は東・東南アジアの台風のシーズンだが、近年は台風が日本や中国だけでなく、ベトナムにも上陸するケースがある。ベトナムではまだ台風対策が進んでおらず、茂木氏は「日系企業も含め対策を進めるべきだ」とした。
近年は世界で人口増に加え、沿岸部の都市化が進み三角州などに人が住むようになるなど、水はけが悪くなっていることも洪水リスクが増大していると説明。川の堤防が決壊するといった外水型洪水でなく、都市で大雨の後に水が下水道からあふれるなどして、大量の水が滞留する内水型洪水が増加していることを説明した。茂木氏は「台風はコースもわかり、対策もたてやすい。BCP(事業策定計画)を作り、対応策を用意しておくことが大事」だとした。
マネロンでは出稼ぎ者の送金手段としてビットコインが利用され、取引が増加しているフィリピンにおいて資金洗浄防止法改正により取り締まりが強化されている。ビットコインやネット取引を使ったマネロンは新しい技術でわかりにくいため、茂木氏は「日系金融機関も気づかないうちにマネロンに加担し、当局に摘発されることのないよう注意が必要だ」と指摘した。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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