消防庁は災害で水難救助を行う際のマニュアル作成を進める

消防庁は浸水時の水難救助活動について標準化に取り組む。29日、「大規模自然災害に伴う浸水区域における救助技術の高度化に関する検討会」の第1回会合を開催。台風や集中豪雨といった災害時の救助において、潜水活動や流水、静水など区分分けし、ボートや潜水による救助活動のマニュアルを策定する方針。2018年2月をめどに報告書をとりまとめる。今回の検討ではヘリコプターを使った救助活動や潜水救助活動、土砂災害での救助活動は検討対象から外す。

救助活動種別の区分について、効果的な救助方法を系統立てて検討できるよう、今回検討対象でない潜水救助活動、流水救助活動、静水救助活動に分類し定義。潜水救助活動はスクーバ潜水によるもので、集中豪雨による地下空間の浸水時やアンダーパスで水没した車両検索なども含む。流水救助活動は河川のほか、水の流れのある都市型洪水なども対応。静水救助活動は池や沼、1ノット未満程度の水の流れの弱い場所での救助活動。

また活動危険レベルも1~4に分類。1は入水できる装備がない隊員でも、陸上方救助や入水隊員の支援を実施。2は陸上からの救助で対応できず、ボートを活用。3はウェットスーツなど入水装備を装着し入水し活動。4では潜水資機材を装着した潜水士による活動となる。レベル1~3での必要な装備・資機材のほか静水、流水それぞれの環境下での救助方法を検討する。

全国732消防本部を対象に行った調査では、水難救助災害対応の出動計画整備状況は「整備済み」が51.1%。一方でマニュアル整備状況は流水救助活動は13.9%、静水救助活動は16.4%と低い水準となっており、消防庁では統一的なマニュアル作りを進める。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介