エルテスの菅原社長(右)は金重氏(左)を社長に迎え新会社を設立した

エルテスは22日、子会社「株式会社エルテスセキュリティインテリジェンス」を設立し、イベント安全対策と海外リスク情勢分析サービスを展開すると発表した。SNSなどネット上の投稿を分析し、イベント警備や海外リスク対策に役立てる。新子会社社長には元・警察庁警備局長の金重凱之氏が就任した。

コンサートやスポーツイベントなどの妨害やテロでは予告や扇動のSNS投稿が多いことから、投稿を分析し、警備計画の立案やコンサルティングに役立てる。人工知能(AI)も活用する。2019年ラグビーW杯日本大会や2020年東京オリンピック・パラリンピックと大型スポーツイベントを控えているほか、MICEの活発化による国際会議誘致、CDの販売減少による収入確保のためのコンサート開催などイベントは増加傾向にあり、地方自治体や興行主からの需要取り込みを狙う。サッカーJ1・アルビレックス新潟が同サービスの導入を決めているという。

海外リスク情報分析でもSNSなどネット投稿を収集し分析。危機対応計画の立案や海外赴任者への研修に役立てる。テロ発生時には現地へ専門家の派遣も行い、分析を強化する方針。また今後の新事業として、「デジタル信用調査」と題しSNSなどオープンソース上での企業や個人の信用調査の実施を検討しているという。企業の人材採用や新規取引に役立てる。

サービス料金はイベント安全対策がイベントごとに200万円~、海外テロ情報分析が月額50万円~(いずれも税抜き)。記者発表会に出席したエルテスの菅原貴弘社長は「当社の風評被害対策や炎上対策をテロ対策やイベント安全にも生かしていく」と述べた。エルテスセキュリティインテリジェンスの金重社長は「イスラム過激派のテロは日本でも起こりうる。フィジカル(物質的)な対応のみでは不十分。デジタルな部分で情報を収集し、人の経験とAIで分析していく」と説明した。

■ニュースリリースはこちら
https://eltes.co.jp/whatsnew/20170822.html

(了)

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リスク対策.com:斯波 祐介