2017/08/18
防災・危機管理ニュース
東京都は7月31日、災害時の物資輸送で重要な特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の状況について発表した。6月末時点での対象建築物の耐震化率は83.6%で、2016年12月と比較して0.9ポイントの改善となった。
対象建築物は1万8455棟で、新耐震基準が1万3613棟、これに旧耐震基準ながら改修などを行なった1807棟を加え、計1万5420棟が耐震性を満たしている。旧耐震基準4842棟のうち前述の1807棟を含め4693棟が診断を実施、未診断が149棟となっている。旧耐震基準建築物の耐震診断実施率は0.8ポイント上昇の96.9%、旧耐震基準建築物のうち、改修などによって耐震性を満たす建築物の割合は3.2ポイント上昇の37.3%となった。
都では「東京における緊急輸送道路建築物の耐震化を推進する条例」で、緊急輸送道路の沿道建築物の所有者に耐震診断を義務づけるほか、改修費用の助成などを行っている。いまだ耐震診断を行っていない建物は「東京都耐震ポータルサイト」で公表されている。都は地震による建築物倒壊による道路閉塞防止へ、耐震化に未着手の建物への戸別訪問を行うなど、今後も改善に取り組む。
■ニュースリリースはこちら
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/07/31/02.html
■関連記事
「緊急輸送道路沿道耐震化へ2250棟訪問」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3257
「東京都、建物種類別に耐震化課題分析」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3288
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方