現在主流の高コスト手法からの脱却で無電柱化を進める(写真はイメージです)

国土交通省は10日、有識者会議「無電柱化推進のあり方検討委員会」の中間とりまとめ「脱・電柱社会~日本の空を取り戻そう~」を公表した。「桜の木と同じ」(同とりまとめ)という国内にある3500万本の電柱削減に向け、無電柱化へのコスト削減など今後の方針を示している。

同とりまとめでは交通や景観の観点以外に防災の面からも無電柱化が必要と指摘。予算に限りがある中で、kmあたり約5.3億円かかる、現在の主流手法である電線共同溝方式では迅速な無電柱化は困難と分析。浅層埋設や電線類の直接埋設など低コスト手法の普及拡大を目指すべきだとした。他にもコスト削減へ機器のコンパクト化・低コスト化や昼間工事の拡大といった土木工事の縮減も目指す。

電柱の道路占有の制限を緊急輸送道路と同様にほかの道路にも拡大することや、電柱の弊害も加味して占有料に反映させるといった、電柱新設の制限も推進。逆に地中埋設した電線への固定資産税減免など、無電柱化への財政支援も有効だとした。

東京都や茨城県つくば市が制定している無電柱化推進条例や地方自治体の無電柱化推進計画の策定支援、国民への啓発活動の強化も進めていく。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000875.html

■関連記事「東京都無電柱化推進条例が成立」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/3014

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介