「いたわり」の大切さ

国や地方公共団体が取り組む「公助」には限界があります。そして、防災の基本は「自助」ですが、自分でできることもやはり限界があります。ましてや障害当事者とその家族、介助者には逃げることで精いっぱいなので他の事に手が回らないでしょう。

避難所の周りには、障害者、高齢者、妊娠中の方、ベビーカー利用者、小さいお子さん、自然災害でケガされた方、体調が悪い方など見かけます。世の中、災害に強い人ばかりではありません。そこで、地域または避難所で取り組む「共助」が重要となります。

避難所で、車いす使用者や白い杖を持っていたり、身体障害者補助犬を連れた人を見かけることがあります。もし、その人が困っていたらどうすればいいのでしょうか? 正しい知識さえあれば、積極的に声をかけ、助けることができるはずです。駅、街中、ビル・商業施設など公共の場でも応用できます。

例えば、目の不自由な人がトイレに行きたくて、声をかけたいと思っていますし、合図を出しているかもしれません。

1. 白杖SOSシグナル

白杖を頭上50センチ程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけ、困っていることなどを聞き、サポートをしてください。

障害者に関係するマークの一例
https://www8.cao.go.jp/shougai/mark/mark.html

2. 身体障害者補助犬

身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬および聴導犬のことです。
盲導犬は、視覚障害のある人が街中を安全に歩けるようにサポートします。


介助犬は、肢体不自由のある人の日常生活動作をサポートします。


聴導犬は、聴覚障害のある人に生活の中の必要な音を知らせ、音源まで誘導します。


身体障害者の自立と社会参加に資するものとして、身体障害者補助犬法に基づき訓練・認定された犬です。法に基づく表示を付けています。

厚生労働省 身体障害者補助犬
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hojoken/index.html

自治体による避難所運営マニュアルで身体障害者補助犬について触れている例はまだ少ないのが現状です。しかし、災害時に身体障害者が補助犬を同伴して避難所に来た場合、身体障害者補助犬法に基づき拒んではいけないので、見かけた方はペットとして持ち込んだわけではないので温かい目で見守ってあげましょう。

あと、視覚障害のある人が盲導犬を連れていても白杖を持っていると思いますので、「白杖SOSシグナル」を見かけたらお声かけをよろしくお願いします。

3. 意識改革が必要です

全ての障害者に共通しますので、覚えていただければ幸いです。

日本では、まだ障害者と健常者とのかかわりが密接ではないように感じています。健常者も話題の引き出しがないと、結局「どうして障害を負ったのですか?」というトピックになってしまいます。全く生産性のない会話ですよね。

海外では、May I help you?(お手伝いしましょうか?)など積極的(未来)に聞いてくれる関係性ができています。その点においては日本でも健常者やメディアの意識が変わらないといけないし、変えていきたいと思っています。