地震への国民の危機感は増していることが紹介された

文部科学省を中心とした政府の地震調査研究推進本部は7日、政策委員会の第66回総合部会を開催。2016年度の「地震調査研究成果の普及展開方策に関する調査」の結果報告が行われた。一般国民2000件、地方自治体は都道府県30件、市区町村977件から回答。国民は地震への関心度が8割を超えたほか、震度6弱以上の地震が明日起きても不思議ではないと4割超が考えていることがわかった。

国民の地震や地震防災対策への関心度は「大いに関心がある」32.0%、「まあ関心がある」51.7%で、計83.7%。前年比3.2ポイント増で2016年の熊本地震の影響がうかがえる。大地震発生の切迫感については震度6弱以上の地震が「明日起きても不思議ではない」が12.7ポイント増の42.8%で最多。次いで「起きる時期はわからないが起きそうだ」が0.2ポイント増の18.8%、「ここ10年くらいの間に起きそうだ」が4.9ポイント減の15.3%.

平常時の地震に関する情報の入手先は「テレビ」が3.9ポイント増の86.3%。次いで「新聞」が3.3ポイント減の30.7%、「ラジオ」が0.4ポイント減の22.5%。「LINE、ツイッター、フェイスブックなどのSNSからの情報」は7.0ポイント増の17.7%で、SNSを含めたウェブ媒体は29.4%となった。

自治体向けでは「今後30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる可能性」といった地震が起こる可能性を地図に表示した確率論的地震動予測地図の改善点について、都道府県は「確率の低い地域は安全と誤解を招く恐れがある」が73.3%で最多。市区町村の最多は「どの程度の確率の精度なのかわからない」が53.2%だった。都道府県の「誤解を招く」は前年比16.2ポイント上昇。近年の想定外とされる大規模地震の頻発で、確率に対する不安が増加していると分析されている。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介