確度高い地震予測は不可能という前提で、前兆が起こった後のケース想定にとどめた

内閣府を中心とした中央防災会議は21日、「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」の第4回会合を開催。報告書のとりまとめを行った。発生時期や場所・規模を特定する確度の高い予測はできないと結論。前兆のある4つのケースを防災対応を検討すべきとし、最初の現象後の大規模地震の発生確率に触れるにとどめた。

報告書では現時点での確度の高い予測はできないことを明記。そのうえで1.南海トラフの東側だけでM(マグニチュード)8クラスの大規模地震が発生2.大規模地震よりは一回り小さいM7クラスの地震が発生3.2011年の東日本大震災に先行して観測された現象と同様の現象が多種目で観測された場合4.東海地震の判定基準とされるようなプレート境界面でのすべりが観測された場合―の4ケースを想定し評価を行った。

西側で大規模地震が起こる可能性がケース1は東側の地震から3日以内に10%程度、4~7日以内に2%程度、ケース2では7日以内に2%程度と想定。ケース3では短期的に大規模地震の発生につながると直ちに判断できない、ケース4では地震発生の可能性は高まっているが、大規模地震の発生可能性を定量的に評価はできないとの結論にとどめた。どのケースも現時点で科学的に確立した手法ではないとしている。

また報告書の終わりに「科学的知見の現状について、過度の期待や誤解がないよう、社会との間で共有することが不可欠である」とさらに記載した。

(了)