無電柱化の最大の課題であるコストの削減に挑む

国土交通省は6日、「無電柱推進のあり方検討委員会」の第6回会合を開催。中間とりまとめの骨子案を提示した。現在の共同溝方式に代わる直接埋設方式の採用などコスト削減の推進や、税制優遇といった財政措置などで無電柱化を後押ししていく方針が示された。

電線や通信線を地中に埋設し、無電柱化することで地震時の倒壊により道路をふさぐことがなくなり、防災上の効果が大きくなる。方向性では緊急輸送道路や避難路といった災害被害拡大防止を図るための道路での無電柱化を優先すること、km当たり整備費が約5.3億円かかる現在主流の共同溝方式の見直しや、緊急輸送道路で行っている電柱の道路占用制限の拡大などを打ち出した。

具体策として、共同溝方式に代わるコストが削減できる工法の活用を進める。浅層埋設方式や小型ボックス方式のほか、海外で一般的な電線や通信線の直接埋設方式の技術開発と普及を急ぐ。地上機器のコンパクト化や昼間工事の拡大、埋め戻しの削減などによるコスト削減も行う。

財政措置では現在、緊急輸送道路において地中化した電線や地上機器、通信設備の固定資産税の減免のほか、国道での地中化の際に電線や変圧器の占有料の減額を行っている。こういった税制や占有料の優遇を進める方針。一方で電柱については不経済性も加味して占有料の増額も検討する。国民の理解拡大へ、東京都や茨城県つくば市のような無電柱化条例の制定も積極的に行うよう自治体に呼びかける。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介