2013/05/25
事例から学ぶ
静岡市に本拠地を置く鈴与グループは、総合物流業の鈴与株式会社を中心に商流事業、建設・ビルメンテナンス事業、航空事業など、多岐にわたって事業展開している、国内外に140社の関連会社を持ち、南海トラフ企業の巨大地震・津波を想定し、グループ全体でBCPに取り組むことで信頼というブランド力を生み出している。
グループで方針を共有
鈴与グループが、BCPへの取り組みを開始したのは7年前にさかのぼる。2005年3月に経済産業省が発表した「事業継続策定ガイドライン」を受けて、これまで整えてきた防災対策を見直し、本社で「事業継続プロジェクト」を立ち上げた。現在の鈴与の危機管理室は、このプロジェクトから誕生した。さらに、グループ全体の取り組みとして、本社社長をトップとする危機管理委員会を発足(図1)。
危機管理委員会は、社長を委員長とし、物流事業、商流事業、建設・ビルメンテナンス事業、食品事業、情報事業、航空事業、その他など140社に及ぶ関連会社を15のブロックに分け、それぞれの事業の代表者15人と役員代表を含めて、16人のメンバーで構成している。
委員会では、毎月1回会議を実施し、意見交換と施策を決めることでグループ全体の危機管理体制の意思の統一を強化している。グループの事業領域が多種多様なため、まずはグループ全体で共通する大きな方針を決め、それに従って各社が個別のBCPを策定している。日頃、会う機会が少ない他社の担当者が集うことで、団結力が強まっている。そのことがグループ全体のブランド力を高め、組織の活性化戦略にもつながる。
事例から学ぶの他の記事
おすすめ記事
-
阪神・淡路大震災30年 いま問われるもの
日本社会に大きな衝撃を与えた阪神・淡路大震災から30年。あらゆる分野が反省を強いられ、安全を目指してさまざまな改善が行われてきました。しかし、日本社会にはいま再び災害脆弱性が突き付けられています。この30年で何が変わったのか、残された課題は何か。神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授の室﨑益輝氏に聞きました。
2025/02/06
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/02/05
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/04
-
-
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方