占用制限やコストなど様々な論点をまとめた

国土交通省は30日「無電柱化のあり方検討委員会」の第5回会合を開催した。これまでの委員からの意見や関係者からのヒアリングを踏まえ、無電柱化を推進すべき道路や施策について論点をまとめた。

主な論点は1.無電柱化を推進する道路2.無電柱化を推進する中心的な施策3.無電柱化の実施環境を支える施策。道路について、現在は災害時に物資輸送などで重要となる緊急輸送道路の電柱設置を制限しているが、人口密集地以外の無電柱化はあまり進んでおらず、全緊急輸送道路での無電柱化率は約9%。また地上設備を置く必要もあり、無電柱化した道路は歩道幅員が2.5m以上の道路が約8割を占めている。このため交通量が多い道路以外に、狭い道路や通学路で無電柱化を進めるべきとした。特に歩道上に電柱がある場合は歩行者の安全やバリアフリーを妨げていると指摘された。

中心的な施策では前述の交通量の多い道路や狭い道路などにも緊急輸送道路のような制限をかけるべきとした。また災害時の倒壊といった不経済性を加味して電柱の道路占有料を見直すべきともされた。

実施環境を支える施策では国交省がこれまでの共同溝方式以外に、浅層埋設方式や小型ボックス活用埋設方式の低コスト手法導入の手引き案を示している。ほかにも今年度は島根県安来市の国道9号と愛媛県松山市の国道33号で民間資金を活用したPFI方式で無電柱化を実施。コストがかかる無電柱化を民間資金で行い、国が選定事業者に工事費や管理料を分割で支払っていく方式をとる。

委員会では今回の会合を踏まえ、近く中間とりまとめを行う予定。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介