出典:http://www.samatters.com/situational-awareness-starts-with-the-size-up/

アメリカの消防士の日常的なイメージトレーニングとしてサイズアップ訓練(活動判断訓練)がある。サイズアップ法訓練は火災防御活動だけではなく、交通事故、土砂災害、地下鉄事故など消防士達が現場活動するあらゆる事故に対して使える訓練法である。

その火災バージョンが下記のビデオ。


出典:YouTube/CFD Training / Height and Construction SizeUp

サイズアップ訓練の手法は下記の通り

1、各建物の映像を約10秒間観たあと、映像を止める。
2、建物の構造による排煙箇所の選別
3、消火栓の位置と各種消防車や救急車の停車位置、必要な消防車の台数を判断。
4、風向きや隣接建物や樹木の種類を判断し延焼方向を判断。
5、建物内への進入方法や進入箇所、ドアの破壊器具の選定判断。
6、要救助者の救出方法と搬出後の救急処置スペース判断。
7、消火隊員・救助隊員の合理的な配置

できる限りの活動判断をそれぞれが隊員が1人1分以内で具体的に発表する。

あまり気づかないのが風向きの判断方法や樹木の種類による延焼の危険判断だ。もみの木や松など、油分を多く含む樹木が風下方向にある場合は、隣接建物への放水と同時に樹木への放水も効果的だと思われる。

さまざまな視点や考えを持ったすべての隊員が発表し、ホワイトボード等にまとめて書き出す。その後に再び建物を見て、皆で最適な消防活動を話し合う。その際に理由、改善案、検討案、注意点などを挙げていく。

一番若い隊員から発表することで小隊全体のレベルアップした点を知ることができる。また小隊長以下、すべての隊員が小隊長になったつもりで発表することで、指揮、統率を含めた現場活動判断能力が育つ。また小隊長は各隊員のレベルを知ることができ、安全管理にも生かすことができる。

そして次の違う構造の建物の映像を見ながら、同じ訓練を繰り返す。