気象庁は気象台の防災への取り組みを強化する。26日、「地域における気象防災業務のあり方検討会」の第1回会合を開催。気象台は情報発信にとどまらない、地方自治体や地域の情報の理解力や活用力を上げるための取り組みについて検討を行う。
気象台は気象庁本庁にある東京管区気象台のほか札幌、仙台、大阪、福岡、沖縄の管区気象台、その他府県にある地方気象台に分類。地方気象台は担当府県の気象や地震火山などの情報提供や解説を、管区気象台は所在地の地方気象台を兼ねるほか、地方気象台の支援を行っている。
2015年の関東・東北豪雨による茨城県常総市の水害や2016年の台風10号など、近年災害が甚大化していることから、政府全体で防災政策を強化。気象庁は特に避難指示を出す権限を持つ市町村を中心に、気象庁の出す予測情報の理解力や活用力を深めるほか、豪雨など非常時に的確な危機意識が伝わるように取り組みを行う。
気象台が気象情報に関する自治体向けの普及啓発活動や研修、首長や自治体職員との意見交換を平時から実施することなどを見込んでいる。7月の報告案の取りまとめを予定。委員には学識経験者のほか、気象庁のモデル事業で気象予報士を防災に活用している新潟県三条市の國定勇人市長と茨城県龍ケ崎市の中山一生市長、防災士でもある日本テレビアナウンサーの鈴江奈々氏も名前を連ねている。
出席した気象庁の橋田俊彦長官は「自治体サポートや住民の災害リスク理解へ、気象庁がもっと何かできないかと思っていた。地域防災へ何ができるか考えていきたい」と述べた。
(了)
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方