首都直下地震など大災害に備えて、受援を前提とした内容の計画とした

東京都は25日、東京都廃棄物審議会災害廃棄物部会の第4回会合を開催。「東京都災害廃棄物処理計画」案の取りまとめを行った。都も職員を派遣している2016年の熊本地震の経験などから、大災害時に廃棄物処理のため都が窓口となった受援体制の整備や区市町村支援を行う。

平常時に都は廃棄物の処理の主体である区市町村の処理計画の策定支援のほか、発災時に備え受援内容を整理しておく。発災した際に都内だけでは処理しきれない場合、都外に人材や資機材の支援要請を行い、スムーズに受け入れられるようにする。都外での処分である広域処理に備え、他の自治体との関係も深める。

発災後1カ月以内までの初動期に区市町村は損壊建築物の公費解体の受付に向けた準備や、救助・救援に支障のある損壊物への対応を行うほか、あらかじめ準備している仮置き場の設置や運営を行う。都も災害廃棄物対策本部を設置し、区市町村や受援で都外自治体や国、事業者と連携。受援体制を整える。

また災害廃棄物は再資源化できるよう、可能な限り分別・選別を行う。首都直下地震が起こった場合、都内で最大約4300万tもの災害廃棄物が発生することが見込まれている。都では5月18日の東京都廃棄物審議会総会で計画を答申。今後はこの計画の内容を反映した、平常時の体制整備や訓練から発災後の進行管理といった具体的な手順・様式をまとめた実務的な災害廃棄物対策マニュアルを作成する方針。

(了)