平常時にも生きる防災活動

災害のためだけの備えであれば、見えないゴールのために活動を続けなければなりません。しかし訓練で行っていることは「災害時のためだけ」のものでしょうか。急病人が発生した時の対応が早くなって命を救うことができたり、近くで働いている人同士の交流になったり、そこから新しい視点のサービスが生まれるかもしれません。

防災の活動は「そのためだけ」に実施するのではなく、日頃からのつながりづくり、そして日常で何かあった時の助け合いにつながる可能性があることを実感しながら取り組むと、より効果的かつ主体的に臨めそうです。

防災の活動は日頃からのつながりづくり、何かあった時の助け合いにつながる

「少人数の人と対話しながら、小さい輪で防災について話し合う場も持ちたいと思っています」と大出さん。各企業の防災担当者がまず主体的になり、その他在籍する社員の方々にも主体性が生まれると、地域の団結力はより高まりそうです。

「じっくり考えて取り組む性格なので、咄嗟に動くより、再発防止や抜本対策について検討する方が得意です」と、大出さんはご自身の特徴をお話されました。大出さんのパートナーとして必要なのは、大胆にことを進めるスピード重視の人かもしれません。一人一人の特徴を知った上で組織体制を整えていくことも、今後の取り組みの重要なポイントとなるのではないでしょうか。

「賞をもらったことは社内でも認知されていますし、しっかりやらないといけないと思っています」。モチベーションがより向上し、今度はどんな取り組みが生まれてくるのか楽しみです。

一人一人の主体性を生み出す、この永遠の防災の課題に今後も向き合いながら、皆様の企業や町会、地域内での解決方法が少しでも見つかることを願っています。