2017/04/20
防災・危機管理ニュース

株式会社レスキュープラスは、危機管理コンサルタントの秋月雅史氏と共同で20日、「今すぐやる!毒ガス攻撃から身を守るマニュアルβ版」(監修:株式会社日本防災デザインCEO/熊丸由布治氏)を公開した。今月14日には「核攻撃から身を守るマニュアル」も公開。通常では考えられない事態に備え、一般市民向けに「今すぐできること」をまとめた。
「毒ガス攻撃対応マニュアル」では、まず「毒ガスを知る」ことから始まり、「動物が死んでいる、昆虫がいなくなる、多くの人が倒れている(白目になっている、泡を吹いている、嘔吐している、呼吸音がぜいぜいしている等の症状が見られる)、異常な液体漏れがある、説明できない臭いがする、低く垂れ込める雲がある、異常な金属の破片がある、死傷者に特定のパターンが見られる」など、毒ガス攻撃によって町が受けると想定される被害をまとめたほか、「避難する」「通報する」「除染する」「病院に行く」など、時系列で想定される項目を整理した。
「核攻撃対応マニュアル」では、事前準備として「防災アプリをスマートホンにインストールする」「Twitterで内閣府や警察のアカウントをフォローする」など、今すぐにできる対策を挙げたほか、「熱線から身を守る」項目では「地下街・地下室ないしは堅牢な建物の窓のない奥まった部屋に避難する。建物内に逃げる時間が無い場合は、堅牢な建物の陰に身を隠す」、「通信機器を守る」項目では「鉄製の容器や電⼦レンジに通信機器・モバイルラジオ等の電子機器を⼊れて、核爆発時の電磁パルスから守る」、など一般市民ができる行動を具体的に示した。
マニュアルを作成した秋月雅史氏は、「隣国が弾道ミサイルを持ち、核実験を行っている状況にもかかわらず、日本には核攻撃・毒ガス攻撃に対応する民間マニュアルも教育・訓練プログラムもない。いますぐ自分ができることとして、10分で読めてその場で準備が始められるマニュアルを広めようと思った。これはβ版なので次に完成版を出し、訓練も実施していきたい」と話している。
■今すぐやる!毒ガス攻撃から身を守るマニュアルβ版
https://rexmanagement-my.sharepoint.com/personal/akizuki_bcp_tokyo/_layouts/15/guestaccess.aspx?docid=11c98b738830d4983990223e57a3bede3&authkey=Ac5SVokliC-AZgzqZjH4nEA
■今すぐやる!核爆発から身を守るマニュアルβ版
https://rexmanagement-my.sharepoint.com/personal/akizuki_bcp_tokyo/_layouts/15/guestaccess.aspx?docid=12468a7843478451eacdc45f2d3e912fa&authkey=AaMr36qBJw1tgvPlFnWZJYk
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方