2020/03/19
昆正和のBCP研究室
■被災による影響
(1)社員本人の被災
就業時間の内外を問わず、社員の身に起こり得る負傷や入院、死亡などを指す。地震などでは、職場でのスチール棚やOA機器の転倒・落下によるケガ、エレベーター内の閉じ込めなどがある。防災教育や訓練などを通じて、職場や家庭での罹災を回避する予防策を徹底させよう。
(2)自宅・家族の被災
社員の自宅が被災したために避難所からの不自由な通勤を余儀なくされる、社員の家族・親戚らの負傷や入院、死亡などで仕事が手につかない、などの状況が考えられる。
これらについても(1)と同様、防災教育や訓練を通じ、職場や家庭での罹災を回避する予防策の徹底を図る。人事総務の担当者は、外部の専門家から社員の精神面への対処方法についてアドバイスを受けておくことも必要だ。
(3)帰宅・出社が困難
都市部と郊外を往復する社員に発生する公共交通機関の途絶の問題である。
家族の被災や避難所生活による著しい不便がなく、復旧活動などに支障のない健康体の社員については、社用車で送迎したり、場合によっては会社近辺にしばらく投宿してもらったりして、復旧を手伝ってもらうことが必要である。
昆正和のBCP研究室の他の記事
- 第28回[最終回]:3つのステップによるメッセージの発信
- 第27回:必要な人員の確保をはばむ要因と対策その2
- 第26回:必要な人員の確保をはばむ要因と対策その1
- 第25回:災害時の帰宅または移動の留意点
- 第24回:安否確認のポイント
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方