南海トラフ地震観測で最新技術対応を行う

文部科学省が事務局を務める政府の地震調査研究推進本部は30日、政策委員会調査観測計画部会の「海域観測に関する検討ワーキンググループ」の第5回会合を開催した。これまでに示されていた「次期ケーブル式海底地震・津波観測システム整備の基本的考え方」案の修正を提示。これを基に南海トラフ西側の高知県沖から日向灘にかけての南海トラフ西側の観測について取りまとめる方針だ。

次期システムではセンサーを用いて観測。GNSS(全球測位衛星システム)・音響測距結合方式といった最新技術活用が見込まれ、今後開発される新たな観測機器を接続できるような拡張性あるシステムにする。

また得られた観測データをオープンにし、防災・減災につなげることやデータの利活用に関して地方自治体のニーズへの対応に考慮することも盛り込まれた。高知県では防災科学技術研究所が運用する地震・津波観測システム「DONET2」を利用し、避難呼びかけを緊急速報メールで送るシステムを開発。高知県沖から日向灘沖は、現在のところ津波観測の空白地帯で、次期システムによる情報を期待している。

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