周辺住民の不安解消と安全性向上へ、監理委員会でチェックを行っていく

文部科学省は27日「長崎大学高度安全実験施設に係る監理委員会」の第1回会合を開催した。長崎大学が感染症研究施設である高度安全実験(BSL4)施設の設置を目指していることに関して第三者の立場からチェックする委員会。今後、適宜会合を開催する。

BSL4施設はバイオセーフティレベル(BSL)で最高のレベル4に該当する施設で、エボラウイルスといった危険性の高い病原体を安全に取り扱うためのもの。国内には東京都武蔵村山市の国立感染症研究所にあるが、周辺住民の反対もあり、研究が事実上できない状態にある。

長崎大の計画では坂本キャンパス内に設置。3km圏内には長崎大病院のほか、JR長崎駅や長崎市役所、今年完成予定の長崎県庁・長崎県警本部も入っている。長崎県と長崎市は2016年11月に協力合意はしたが、世界最高水準の安全性の実現や地域との信頼関係の構築のほか、国と連携したチェック体制の構築も要請していた。政府も同月、関係閣僚会議で国の関与と第三者チェック機関となる監理委員会の設置を決めた。

監理委員会は笹川千尋・千葉大学真菌医学研究センター所長を主査とし、医学のほか建設や法律、危機管理の専門家も参加。今後、長崎大から進捗が報告される際に随時会合を開く。長崎大は今後1~2カ月程度で基本構想をまとめる予定。2020年度に厚生労働省の指定を受け、稼働することを目指す。

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(了)