新型コロナウイルス騒動で中国もBCPに着目!?
日系企業が取り組みを先導できる可能性大
上海清環環保科技有限公司(STECO)/
総経理
江頭 利将
江頭 利将
1965年7月 佐賀県生まれ。早稲田大学理工学部電気工学科卒。海外生活・事業経験27年(米国1.5年、韓国3年、アルゼンチン6年、中国16年)。2003年より中国事業に取り組み、2008年より上海清環環保科技有限公司(STECO)総経理就任。同済国際緑色産業創新センター(TIGIIC)運営幹事、日資企業節能環保推進研究会(JASPEE)運営幹事、上海佐賀県人会副会長、上海稲門会幹事長を務め、日本の優れた環境・省エネの世界標準化を目指すと同時に、海外進出済みの日系企業現地事業所の環境・省エネ対策サポートに取り組んでいる。机上の空論ではない実業経験を活かした実践的サポートが好評。
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■上海は感染の「逆流」防止の段階へ
前回に続き、新型コロナウイルス騒動による影響について考えてみたいと思います。
上海では人民政府外事弁公室より「3月3日以降、新型コロナウイルス感染症が広がっている国・地域(日本を含む)から上海に渡航される方については、14日間の自宅又は指定施設での隔離とする」旨の通報が発布されました。詳細はこれからですが、今後は中国国外への拡散防止ではなく、中国外からの侵入を重点的に防止するという新たな次元の対策が取られ始めたことになります。
武漢以外の地域では感染の拡大は収まっており、今後は新たな感染の可能性を徹底して封じ込めることになったといえましょう。北京も同様の措置をとっており、上海在住の日本人駐在員の北京への出張にも影響が出始めたことが報告されています。
また旅行業や交通業など、人の往来を条件とする企業群においては、規模の大小にかかわらず相当な経済的打撃を受けているのは事実であり、支援の有無によっては残念ながら事業の継続を諦めざるを得ないところも存在しています。そうなれば当然のごとく、それらの企業で働く社員たちへの影響も小さくありません。路頭に迷ってしまう人たちも出てくることでしょう。
単なる未知のウイルス騒動では済まされない状況に至っている中で、今こそ注目すべきことはBCP(事業継続計画)の策定とその見直しだと思われます。
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