田中座長(右)を中心に、約半年間検討を重ね提言をまとめた(左は山田・水管理・国土保全局長)

国土交通省は17日、「防災に関する市町村支援方策のあり方について」と題した提言の手交式を行った。「防災に関する市町村支援方策に関する有識者懇談会」で座長を務めた田中淳・東京大学大学院情報学環・総合防災情報研究センター長・教授から山田邦博・水管理・国土保全局長へ提言が手渡された。

有識者会議では2016年7月から今年2月にかけて、大規模災害時の市町村支援について議論した。提言では査定や監理といった復旧工事での一連の作業を、民間事業者などがパッケージで支援する仕組みの整備、市町村技術者の養成支援、国交省の緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の充実強化などが盛り込まれた。

田中座長は「2017年度の防災は市町村支援がキーワードになる。避難所運営や物資の仕分け、復旧・復興といった対応は市町村のみの力では厳しい」とし、提言内容の実行による施策展開を要望。山田局長は「市町村は職員が減っているほか、災害の経験が少ないところも多い」と現状を述べたうえで「提言内容について市町村の理解を深めるためにも事例集の作成を行う」とした。国交省では2017年度の早いうちに事例集を出す方針。

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