東京都は10日、水上バスとバイクを使った防災訓練を行った。水上バスを運航する東京都公園協会およびバイクを使った災害対策を行う一般社団法人BERTと実施。水上バス航行中に地震が起こった想定で水門内への退避や、水上バスとバイクを使った医薬品輸送の訓練を行った。
隅田川を航行する水上バスが乗客を乗せ、墨田区の両国船着場を出発後に震度6強の地震が起こり津波警報も発表されるという想定。水上バスは近くの亀島川に退避し、退避完了後に亀島川水門を閉鎖した。
警報が解除され安全を確認後、水門を開放し、水上バスは中央区の明石町船着場に移動。到着後、船着場の安全確認や、スマートフォンアプリ「レスキュー・ナビゲーション」を使い現地の写真や情報を、河川を管轄する都建設局や都災害対策本部と共有。安全確認後に乗客を聖路加国際病院方面に誘導した。
乗客を降ろした後いったん水上バスは明石町船着場を離れるが、災害対策本部から医薬品輸送の指示があったということで戻って再度接岸。製薬会社からBERTのバイクで運ばれた医薬品を受け取り、両国に出航。両国から再びバイクで医療機関に運ぶという訓練を行った。
都では地震時の航行の安全確保のほか、道路が寸断され車による物資の輸送が困難となった場合に備えて、今回の訓練を行った。2011年の東日本大震災では交通の混乱対策のため、千住~両国~浜町で約1カ月半、水上バスで臨時ダイヤを組み、通勤の足の確保などに努めた。都は今後、水上バスを使った帰宅困難者の移動なども訓練を行う計画だという。
(了)
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