気象庁は23日、第14回「津波予測技術に関する勉強会」を開催。2016年11月22日5時59分に発生した福島県沖の地震における津波データの分析結果を示し、この地震が発生したエリアの津波予報データベースに、今回の断層と同じ走向によるシミュレーション結果を3月までに追加する方針を示した。今後1年程度かけて、全国的にもデータベースを見直す方針。
この地震は福島県沖で起こったM7.4のもの。津波警報は同日6時2分の第1報として福島県に津波警報、宮城県に津波注意報を発表。7時26分の第2報でも変わらなかったが、8時9分の第3報では宮城県も津波警報に変更された。
福島県相馬市で83cm、仙台港で144cmなどの津波を観測。仙台管区気象台と東北大学が行った現地調査で、宮城県東松島市で4mだったのを確認するなど、仙台湾の一部地域で極端に高い津波があったという。
これは福島県や宮城県南部で津波が反射し、仙台湾で重なり合ったことが要因。これまで震源地付近の断層の走向は180度もしくは195度とみられていたが、実際は65度で、東西に影響を強くおよぼす角度だった。このため、後続波が反射し回りこんだことで、仙台湾の一部地域で高い津波が発生した。角度が変わっていたのは2011年の東日本大震災の影響とみられる。
今回の分析を受けて気象庁では、この地震の発生エリアの津波予想データベースに、今回の断層の走向である65度のシミュレーション結果を3月までに取り込み、第1報でより適切な津波警報発表に努める。また断層の走向に変化がないかを全国的に調査し、1年程度かけてデータベース変更を行う。
(了)
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