国際協力機構(JICA)は15日、「『仙台防災枠組』採択後の防災の『今』」と題した記者勉強会を開催した。JICAの海外での取り組みや、女性を尊重したジェンダー防災などについて解説が行われた。
2015年の第3回国連防災会議は仙台市で開催され、「仙台防災枠組2015‐2030」が採択。新たな災害リスクの予防や、「より良い」復興の考え方、女性の参画などが盛り込まれた。日本も2015~18年まで防災関連分野で40億ドル(約4568億円)の協力や4万人の人材育成を打ち出している。
ジェンダー防災では海外から日本に関係者を招いて研修を開催。7日に世界保健機関(WHO)に採択され、JICAもまとめに貢献した日本発の被災患者情報のチェックリストMinimum Data Set(MDS)に子どもや女性の所在やニーズ把握につなげるほか、暴力などの有無などもチェックする。2015年のネパール地震では、野菜生産やヤギ飼育など、女性の生活改善につながるプロジェクト支援も行った。
また海外では「Build Back Better」を掲げ、災害前より良い生活を送れるよう復興を支援。ネパール地震では学校や住宅の再建で、以前より耐震性が高い安全な建物とするよう努めた。政策決定者への働きかけのため、外国の防災機関幹部を日本に招き、防災政策の優先性向上もアピール。9日から3月17日にかけてはJICA四国と高知大学で9カ国から招いた関係者を対象に、宮城、兵庫、高知で避難訓練の参加や防災施設の見学などを通じた自助・共助や行政の役割についての研修を行っている。ツバルの海岸保全などで砂浜を再生した自然保護と高潮対策の両立といった、日本の技術を生かした支援も紹介された。
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