2016/12/09
ニュープロダクツ
株式会社明電舎(本社:東京都品川区)は8日、国内初の、IoTを活用したリアルタイムに変圧器の余寿命を把握できるシステム「変圧器オンライン余寿命診断システム」の開発を完了したと発表した。⽼朽化が進むインフラを常に監視することで、停電など大規模な障害を未然に防ぐことができるもの。販売開始は2017年4月を予定している。油入変圧器が対象だが、乾式変圧器にも適用できるシステムを2018年度に開発を完了する予定だ。
油入変圧器に各種センサーを取り付け、取得したデータをクラウド上に蓄積し、遠隔で監視と診断をオンラインで⾏う。蓄積されたデータから演算式(アルゴリズム)により判定。既存設備にも容易に導入でき、これまで⾏ってきた⽇常巡視点検を効率化する。定期点検時に1カ月ほどかけて⾏っていた変圧器の油分析を、リアルタイムに実施することができる。
監視・計測できるのは、「油面数値」「油温・外気温」「油中ガス・水分分析」「LTC(ロードタップチェンジャー)」「部分放電」「負荷電流」。
油面はアナログメーターをカメラで撮影し、針の位置を画像処理でデジタル化、数値データとして取得する。
油温・外気温は、変圧器に注入されている油の温度や外気温を常に計測し、異常をリアルタイムに検知できる。
油中ガス・水分分析は、変圧器中の銅線に巻かれた絶縁紙の劣化により油に溶けた特定の化学物質を、油中のセンサーで計測し、絶縁紙の劣化の兆候を把握する。落雷や部分放電などにより⽣じたガス成分を計測することで、油の劣化を把握できる。
LTC(ロードタップチェンジャー)は、タップの切り替え回数を把握することで、摩耗を予測。経年劣化による絶縁不良で発⽣する部分放電を常時監視し、負荷電流を計測することで、⽣涯使用量を把握する。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方