2016/12/07
ニュープロダクツ
発災後、独自のシステムにより地域の倒壊ビル件数まで予想解析
応用地質株式会社は12月中旬から、企業や自治体向けに災害時の緊急対応支援サービス「ServiBers(サバイバーズ)」の販売を開始すると発表した。気象庁から発表される災害や気象情報と、同社が持つ地盤情報などのデータベースを連動させ、瞬時に推定震度分布図などをモニターに表示。独自の解析システムにより、地域のビル倒壊件数なども予測することができるという。
発災直後から「災害対策本部の設置」「各事業所の震度分布図作成」「安否確認」など、時間軸に沿って各組織のBCP(事業継続計画)に合わせた行動内容を確認していくことができ、被災地の顧客などに報告するためのレポートも自動生成する。価格は月額10万円から。モデルケースとして、災害対策本部2カ所(バックアップ拠点含む)、拠点数10ヵ所(工場、事業所など)の場合で月額30万円程度。初期費用は50万円~としている。
被災現場から「ServiBers」のアプリをインストールしたタブレット端末やスマートホン端末で被害情報を撮影し、コメントを添えて送信することで災害対策本部において報告内容が直ちに自動集計され、各地の被害情報を素早く正確に把握することができる。同システムにより、「外部への被害状況の報告」や「外部への協力依頼」「社内対応要員検討」など、災害対策本部が対応すべき復旧・復興時のオペレーションをオンタイムで支援するという。
開発に関わった同社社会システム事業部地震防災部上級専門職の野口礼人氏は、「これまで紙やファックスを集めて集計していた情報をすべてシステムで一本化。さらに報告書なども自動集計・出力することで、災害対策本部で本当に必要な対応判断などに時間を当てることができる」と自信をのぞかせる。
同社は1957年に創業し、およそ60年に渡り地質調査・地質コンサルタントを手掛けてきた国内最大手企業。内閣府に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」における地震被害想定や津波浸水想定も支援してきた実績を持つ。同社システム企画開発部長の吉兼理説氏は、「熊本地震でも、発災直後から実際に現場へ行って調査にあたるなど、災害対応をどの会社よりも理解しているのが当社の強み」と話している。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方