2016/11/24
防災・危機管理ニュース

一般社団法人日本トイレ協会(所在地:東京都文京区)防災・災害トイレ特別研究会は15日、19日の「備蓄の日」を前に、災害用トイレ備蓄に関するアンケート調査と災害用トイレメーカーの生産率を発表した。
災害用トイレ備蓄に関するアンケート調査は、10月18日に日本全国の20~80代の男女1000人を対象にインターネットで行った。「あなたの家庭では、災害用トイレを備蓄していますか」の質問では、「備蓄している」が166人(16.6%)、「備蓄していない」が834人(83.4%)となった。

また、日本中の災害用トイレメーカーは地震が起きてから、一斉に生産しても、地震発生3日後に「約679.8万回分」しか生産できないことがわかった。政府は災害が起きた後、4日目から7日目までの4日分の災害用トイレや食・飲料、日用必需品を被災地に届けるプッシュ型支援を行うが、初動から最低限3日分、できれば7日分は自助・共助で備蓄するのが望ましい。現状として、初動の3日間や7日以降、一人平均1日5回のトイレが適切な処理をされないと、衛生面からの感染症、さらにトイレに行かなくなると健康被害(エコノミークラス症候群など)にかかる人が続出する可能性がある、と同協会は話す。
■ 災害用トイレメーカーの生産率
【地震発生3日後:携帯トイレメーカー】
日本トイレ協会所属メーカー 生産可能数量 約 56.7万個(約113.4万回分)
所属以外のメーカー 生産可能数量 約 45 万個(約 90 万回分)
-----------------------------------------------------------------------------------日本全体 生産可能数量 約101.7万個(約203.4万回分)
※年間生産可能数
大手携帯トイレメーカー 最大約1200万個 (約2400万回分)
【地震発生3日後:仮設トイレメーカー】
日本トイレ協会所属メーカー 生産可能数量 約 1191棟 (約476.4万回分)
所属以外のメーカー 生産可能数量 約 棟 (約 万回分)
-----------------------------------------------------------------------------------日本全体 生産可能数量 約 1191棟 (約476.4万回分)
【地震発生3日後:携帯&仮設トイレメーカー生産率】
携帯トイレメーカー日本全体 生産可能数量 約101.7万個(約203.4万回分)
仮設トイレメーカー日本全体 生産可能数量 約 1191棟 (約476.4万回分)
----------------------------------------------------------------------------------- 約679.8万回分
【南海トラフ地震被害想定】
1、避難所避難者数 約950万人(公式数値)
2、上水道支障率(断水率) 約28.6% (逆算にて算出)
3、1人あたりのトイレ使用回数 1日/5回 (公式数値)
【1家族(4人)3日間の利用想定】
4人(1家族) × 5回(1日トイレ使用回数) × 3日分(備蓄) = 60回分(備蓄推奨数)
〔引用資料〕内閣府資料「南海トラフ地震想定ポイント(P.7~8)」
「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画(P.38)」
サービス名などは各社の商標および登録商標
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方