2016/11/18
ニュープロダクツ
沖電気工業株式会社(本社:東京都港区)は15日、300m先に飛来するドローンの探知が可能な「デュアルパラボラ型指向性音響センサー」を開発し、「ドローン探知システム」のラインアップとして販売を開始したと発表した。既存の「無指向性音響センサー」と組み合わせ、さまざまな運用に応じた柔軟なシステムを構築できる。
ドローンの飛行音を2本のマイクロフォンとパラボラで収集して音源位置分析を行うことで、探知距離300mを実現。音響センサーの設置環境に応じた背景雑音除去機能、感度調整機能を新たに加え、騒音下にある環境での探知性能向上を図った。最小構成を組み合わせることで、高性能な全方位での探知ができる。
さらに、顧客からの要望に応じたカメラシステムと連携するオプションも用意し、映像による確認も行うことができるほか、映像録画や侵入履歴の記録を残すなど、監視用途での運用も可能になった。
ドローンの急速な普及に伴い、ドローンの特徴を生かした映像制作、災害地調査、インフラ老朽化点検、物資輸送などへの利用やサービスが高まっている。これらドローンの利活用のほか、盗撮・盗聴、落下による器物破損などの事故や、毒物散布などドローンの悪用による脅威に対する社会的懸念もあり、国内においては、2015年12月に「改正航空法」、2016年5月には「小型無人機等飛行禁止法(注1)」と、ドローンやラジコンなどの無人航空機の飛行ルールや飛行禁止区域の設定が新たに施行された。
同社では、これらの施行に先駆け、重要施設や要人警護向けに2015年6月から空中音響技術(注2)を利用し夜間でも探知可能な「ドローン探知システム」を販売してきた。新たな法律への対応として、探知距離を300mとした「デュアルパラボラ型指向性音響センサー」を開発した。
価格は600万円(税別)~。最小構成は、デュアルパラボラ型指向性音響センサー、処理部、操作表示ソフト各1式、工事費別途。全方位探知の場合は、最小4セット構成からとなる。
システム構成
音響センサー性能比較
操作表示部 表示例
デュアルパラボラ型音響センサーを用いた運用例
注1:小型無人機等飛行禁止法
重要施設敷地とその周辺300メートルの上空の飛行を禁止した法律。
注2:空中音響技術
空中を伝わる音響信号に関わる、受信、信号処理、情報処理、表示処理などの全般技
術。
(了)
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