災害関連死かどうかの判断は市町村ごとに設ける災害弔慰金支給審査会で判断します

災害弔慰金法は、「災害により死亡した者の遺族」へ災害弔慰金(250万円または500万円)を支払うとしています。「災害により死亡」とは、災害時における直接死(圧迫死、溺死、焼死等)の場合と、いったん助かったがその後に災害の影響で亡くなる「災害関連死」の場合があります。

正確にいえば、災害関連死とは「災害による直接死以外で、災害と死亡との間に相当因果関係が認められる死亡」ということになります。

直接死であればその支払決定は比較的容易だと思われます。一方で、災害関連死は、相当因果関係があるかどうかという法律的な評価をして認定をする必要があるので、災害弔慰金を支払う自治体の窓口で直ちに判断できるものではありません。過去の災害では「災害から一定期間(たとえば6カ月)経過していた場合には、原則として災害関連死と認められない」という誤解がまん延したことがあります。これは明らかな誤りです。様々な事情を考慮して法律的な相当因果関係があるかどうかを総合的に判断するのが、災害関連死かどうかの判断基準なのです。

このように、災害関連死の判断には法的な評価が必要です。また、判断資料のひとつとして医学的・福祉的な観点からの専門意見や資料も必要です。そこで、市町村ごとに「災害弔慰金支給審査会」を設けて、弁護士や医師の委員ら専門家が、災害関連死かどうかを判断する運用になっています。

災害関連死かどうかは、申請前から確実に明らかになっているわけではありません。ご遺族が災害の影響があると感じていれば、災害弔慰金の申請をして審査してもらうことを躊躇(ちゅうちょ)する必要はありません。

(了)