第6回:「創造的対応」が災害対応のカギを握る
一つとして同じ現場(状況)はない
国際大学GLOCOM/
主任研究員・准教授、レジリエントシティ研究ラボ代表
櫻井 美穂子
櫻井 美穂子
ノルウェーにあるUniversity of AgderのDepartment of Information Systems准教授を経て2018年より現職。博士(政策・メディア)。ノルウェーにてヨーロッパ7か国が参加するEU Horizon2020「Smart Mature Resilience」に参画。専門分野は経営情報システム学。特に基礎自治体および地域コミュニティにおけるICT利活用について、レジリエンスをキーワードとして、情報システム学の観点から研究を行っている。Hawaii International Conference on System Sciences (2016)およびITU Kaleidoscope academic conference (2013)にて最優秀論文賞受賞。
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この連載は、「キャピタル×システム」という視点で災害を見ると、全体像が把握しやすくなり、災害の対応に過去の教訓が生かしやすくなる――というくだりから始まりました。
第1回はこちら→大規模災害対応のための「キャピタル概念」
その上で、全体像が把握しやすくなるとは一体どういうことなのかを具体的に示すために、東日本大震災で大きな被害を受けた3つの町の事例を紹介しました。それぞれの事例を、キャピタルとシステムの視点から分析してきました。事例紹介と分析が続きましたので、今回はまとめを振り返りながら、今後の対応に教訓を生かすためのヒントについて触れたいと思います。
各回で得られたまとめは次の通りです。
■第2回:経済資本と組織資本
モノ(経済資本)は代替可能なケースが多いが、データ(組織資本)は一度喪失すると復旧するのが困難となる
■第3回:人間資本とシンボル資本
公共部門における人間資本およびシンボル資本の喪失は、法的あるいは公的に決められた要件に沿った形でカバーする必要があるため、復旧プロセスに与える影響が大きい
■第4回:社会関係資本
社会関係資本は、他の資本が復旧するためのゲートウェイとしての役割を果たす。社会関係資本の働きによって、組織は不足の事態における適応能力を上げることができる
■第5回:ドメインナレッジ
日常業務で培われる知識やシステムへの「慣れ」(=ドメインナレッジ)が、災害対応に力を発揮する(システムへの適応)
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