DTCYの代表執行者となる木村氏は注力分野や同社のグループ内における役割などについて語った

デロイト トーマツ グループは26日、サイバーセキュリティに関するコンサルティングなどを手掛ける新会社「デロイト トーマツ サイバー合同会社(以下DTCY)」を4月に設立すると発表した。人員を増強していき、金融や医療、自動車関連などでのコンサルティング需要の取り込みを図る。

デロイト トーマツ リスクサービスのサイバーリスク部門とデロイト トーマツ コンサルティングのサイバーセキュリティ戦略部門はDTCYに合流する。主なターゲットは金融、自動車関連、ライフサイエンス、電力・ガス、製造業などのグローバル企業。自動車は自動運転の開発が進むほか、金融は世界規模での規制強化、製造業はIoT化が進行。医療やインフラでも攻撃対策などでサイバーセキュリティの重要性が増している。DTCYではAI(人工知能)やブロックチェーンなど最新の技術にも注力。約120人で発足するが、3年後の2022年には250人体制を目指す。6月から本格的に事業を開始する。

4月1日からDTCYの代表執行者を兼務するデロイト トーマツ リスクアドバイザリー ビジネスリーダー兼トーマツ執行役の木村研一氏は26日に東京都千代田区のシャングリ・ラホテルで行われた記者発表会で「サイバーセキュリティはもはや経営戦略そのものになっている。プロアクティブに対処したい」と語ったほか、日本のコンサルティング市場はデジタル系のみが成長を続けている現状を説明した。また、M&Aなどほかのコンサルティングや法務などでもサイバーに関する情報や相談が必要とされる場合があり、グループ全体の底上げにつなげる方針も語ったほか、人材確保へ最高水準の報酬も用意することを説明した。

同じくDTCYの最高技術責任者に就任するデロイト トーマツ サイバーセキュリティ先端研究所所長兼デロイト トーマツ リスクサービス社長の丸山満彦氏は人材確保について「新卒の採用と教育を推進する」と述べ、新卒社員は特に最初の半年間の教育などに注力し、育成を体系化するほか、海外の大学とも人材確保で協力を仰ぐ方針も語った。世界的なサイバー人材の不足があり、海外企業の経営者のサイバー対策への意識が高まっていることも、人材確保に影響を与えてくるとの見方も示した。

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(了)

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