2019/02/26
インタビュー

「第14回グローバルリスク報告書2019年版」が1月に世界経済フォーラムから発表された。世界の学術界、政府、国際組織、NGO、企業などのリーダーにグローバルリスクについてアンケート形式で調査したものを反映させており、今後10年間に世界で発生するリスクの可能性と影響度を評価している。毎年1月に開催される世界経済フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)の討議に活用されるほか、各国の政府や企業らの長期戦略策定にも影響を与えるとされている。

今年(2019年)の調査では、地政学的・地経学的な緊張が最も緊急性の高いリスクであり、専門家の 90%は、2019年には主要国間で経済的対立がさらに高まると予想している。ただし、同報告書の編集に携わる、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズのグループ会社で、保険仲立人大手のマーシュ ブローカー ジャパン代表取締役会長の平賀暁氏は、本質的なリスクは、2018年から大きく変わったわけではなく、むしろこの10年で挙げられてきた課題が解決していないまま放置されている状況に危機感を抱いていると指摘する。
今回の調査で、回答者約1000人の85%は主要国間の政治的対立を懸念。さらに、88%は多国間貿易の規制や協定のさらなる崩壊も予測している。しかし、発生の可能性が高いグローバルリスクの上位5位を見てみると、2011年以降自然災害や異常気象など、気候変動に伴うものが上位を占めている。平賀氏は「米中対立など地政学的なものに注目が最近は集まりがちではあるが、ここ10年程の課題を解決できていない」と警告する。
- keyword
- グローバルリスク報告書
- ダボス会議
- マーシュ
インタビューの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方