2019年度予算案での水害・地震対策を説明する小池知事

タイムライン作成セット

東京都は25日、2019年度予算案を発表した。一般会計は今年度比5.9%増の7兆4610億円で過去最大。ハード・ソフト含めた水害対策など気候変動対策に約2228億円をかけるなど、小池百合子知事の考えと2018年の災害を色濃く反映した編成となった。

災害対応力の強化については、29.7%増の約170億円(今年度予算案発表の際にこの項目に含めていた東京消防庁移転候補地の取得予定費用240億円は除外)。大規模水害対策の新規事業としてマイタイムラインの作成支援・普及で5億円を計上した。水害の発生を前提に、発災予想時刻の数日前からいつ・何をするか計画を立てるタイムラインの作成を個人に焦点をあてて支援。学校で児童・生徒に作成セットを配布し、家族も含め都民への普及を図る。

平成30年7月豪雨では住民の避難行動の遅れもあり、気象情報の伝達改善のほかタイムライン策定の重要性も多く指摘されていた。「タイムライン防災」の第一人者である松尾一郎・東京大学客員教授は、区市町村や個人へのタイムラインの策定支援について「タイムラインは『災害リスクの理解』の下で、『顔の見える』繋がりの中で策定する『各主体の役割と行動計画』と私は定義している。行政にとっても町内会にとっても、災害時における地域事業者等との連携・協働は重要。個人も同様で地域との繋がりの中で策定されるべきである」としタイムライン策定にあたって周囲との連携の重要性を語った。