2016/05/03
おかしくないか? 日本の防災対策
編集部より |
1 日本は自然災害の巣
日本は、地震、火山活動が活発な環太平洋変動帯に位置し、世界の0.25%という国土面積に比較して、マグニチュード6以上の地震の発生回数は世界の約20%、活火山の分布は世界の約7%を占めており、その割合は極めて高いものとなっています。また、地理的、地形的、気象的条件等から、世界的にも地震・火山・水害等の災害を受けやすい国であり、近い将来懸念される巨大災害として、南海トラフの巨大地震(今後30年間に60~80%)や首都直下地震(今後30年間に70%)をはじめ、火山災害、大規模水害等の発生が危惧されています。
まさに、日本は自然災害の巣といえます。
2 災害発生時に、なぜ避難所へ行くのか
先般、都民の方を対象に行った防災講座のなかで、大震災時に「なぜ避難所へ行くのか」を討議していただきました。結果は、次のとおりです。
2位 火災で家に住めない
3位 ひとりでは不安である
4位 必要な情報が入らない
5位 食糧が供給されない
6位 被災者への支援ボランティア
3 避難所とは
自治体で作成が義務付けられている「地域防災計画」を見ると、避難所の多くは小中学校の体育館となっています。
避難所とは、災害救助法第23条に基づき「災害によって、生活基盤である住まいを失ったり、生活に困窮する被災者に対して、一時的に、経済的な負担なしで最低限の生活を送れるよう支え合う場所」として、区市町村が設置することとなっています。
その役割は、①収容施設の提供、②炊き出し、その他による食品の給与および飲料水の給与、③被服、寝具、その他生活必需品の給与または貸与、④医療および助産、⑤災害にかかった者の救出、などとなっており、面積基準は3.3㎡(1坪)あたり2人で、開設期間は原則1週間(災害の状況により延長可)となっています。
避難所または避難に係る場所の種類は、次のとおりです。
②避難所:小中学校の体育館等
(補完避難所:都立学校、協定締結団体施設等)
③(広域)避難場所:大規模公園等
④福祉避難所:高齢者や障害者などを収容する社会福祉施設等
⑤一時滞留施設:公共施設や民間の建物内ロビー等
⑥みなし避難所:ホテル・旅館等
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