2018/12/26
ニュープロダクツ

ヤフーは地方自治体などと災害協定を締結し、情報発信に注力している。11月19日に、主要電力会社で構成する電気事業連合会(以下、電事連)と、同様の協定を民間と初めて締結した。災害時に各電力会社のホームページのキャッシュサイトを開設し、停電など円滑な情報発信を図る。
電事連は北海道電力や東京電力ホールディングスなど、全国の主要な電力会社10社が加盟している。停電が起こりやすい災害時は各電力会社へのホームページに、情報を求めてアクセスが集中する可能性が高い。このため、災害時にヤフーが同社のサーバーに、電力会社のホームページの内容をコピーしたキャッシュサイトを開設する。内容は最長でも1分前のオリジナルのものと同じで、ヤフーサイトでの検索画面にキャッシュサイトを掲載し、誘導する。キャッシュサイトは自動で作成し、更新していけるという。

ヤフーでは同様の協定を11月末現在、全国504の自治体と締結。災害時にキャッシュサイトを作成し、検索画面のほか、自治体のオリジナルサイトのトップ画面でも紹介したりすることで誘導している。このような取り組みを始めたのは2011年の東日本大震災においてで、実際に自治体のキャッシュサイトを作った。

電事連と協定を締結したきっかけは、9月の北海道胆振東部地震での停電で、北海道電力のキャッシュサイトをヤフーが作成したことだという。同社の災害協定プロジェクトマネージャーの関口和明氏は、「自治体とも電事連とも、取り組みは無償で行っている」と説明。また「平時に準備をしておけば、いざという時に効果が出る」とし、今後は自治体や電気以外にも、ガスや水道といったインフラでも同様の取り組みを視野に入れているという。
ヤフーではキャッシュサイト以外にも、スマートフォンアプリ「Yahoo!防災速報」を通じた自治体からの注意喚起などの情報発信を行うといった、災害時の取り組みを積極的に行っている。
■ニュースリリースはこちら
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2018/11/19a/
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/22
-
帰宅困難者へ寄り添い安心を提供する
BCPを「非常時だけの取り組み」ととらえると、対策もコストも必要最小限になりがち。しかし「企業価値向上の取り組み」ととらえると、可能性は大きく広がります。西武鉄道は2025年度、災害直後に帰宅困難者・滞留者に駅のスペースを開放。立ち寄りサービスや一時待機場所を提供する「駅まちレジリエンス」プロジェクトを本格化します。
2025/04/21
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方