一般財団法人海上災害防止センター(以下、海災防)は4月24日、企業向けに「危険物火災1日コース」を新規開設することを明らかにした。石油・化学工業や電力会社など、コンビナートや大規模プラントで危険物を取り扱う企業からの要望に応えたもの。訓練は海災防が訓練施設を保有する、東京湾に浮かぶ無人島「第二海堡(だいにかいほ)」で実施する。国内で民間会社が実際の火を使用した大規模消防訓練を受けられるのは、第二海堡の消防演習場のみだという。本物の油やガス火災を再現した訓練を通じて、現実に即した消火法を習得できる。これまで同センターでは2日間の消防実習コースや、5日間のコンビナート火災コースなどを実施しているが、1日コースはそれらのコースと同時並行で行う。初回の実施は5月7日(木)。今後はおよそ月1回〜2回のペースで実施する。

火を消しているのは民間企業の従業員

訓練内容は初期消火の基礎知識、粉末消火器の取り扱い、水霧による輻射(ふくしゃ)熱の防御および冷却消火、CO2消火、泡消火など。講義と実技を交え訓練を実施する。料金は1人につき5万6840円(税込)。「海上災害セーフティーサービス(MDSS)」など、海災防と法人契約している企業は10%割引で受講できる。申し込みは一般海上災害防止センター防災訓練所まで。問い合わせ電話番号は045-224-4321。

防災部部長代理の大森春夫氏

同センター防災部部長代理の大森春夫氏は「火災に立ち向かうには、炎と熱を知り、消火法を取得しなければいけない。自然風のなかでこれだけ大規模な消防訓練を実施できるのは、日本国内で海災防だけだ」と話している。

カリキュラム例は以下のとおり。

8:30 集合・回航(第二海堡へ移動)
9:10 座学
10:20 消火の基本
(・粉末消火・ホースハンドリング・オープンタンク・流出油火災消火実習(基本消火))
12:00 昼食
13:00 実火災消火訓練

4月24日に開催した訓練の様子

(・オープンタンク火災消火実習・模擬機械室火災消火実習・「低床オープンタンク火災実習」・「模擬機械室火災消火訓練」または「パイプラインガス流出火災」への対応実習)
16:00 回航(研修所へ移動)
16:20 講評、修了式など
17:00 解散

一般財団法人海上災害防止センターHP
http://www.mdpc.or.jp/contents/gyoumu/index03.html