2015/04/13
防災・危機管理ニュース
東京都は、都立公園の整備・管理の基本指針となる「パークマネジメントマスタープラン」を10年ぶりに改訂、3月30日に発表した。
パークマネジメントとは、公園づくりの際に、従来型の行政主導の手法でなく、都民の視点に立ってNPOや企業と連携しながら整備、管理していくものであり、誰からもわかりやすい目標設定、多角的な視点による事業を展開し、継続的に改善を行っていくこと。
東京都は、平成16年に「東京が切り開く新時代の公園経営を目指して」と題したパークマネジメントマスタープラン(以下マスタープラン)を策定したが、10年を経過し、社会状況の変化などに対応するため改定した。
改訂マスタープランは、東日本大震災の発生、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定などの社会的変化を踏まえ、首都東京の風格を高め、安全で快適な都民生活に不可欠な施設にするため、「都市の魅力を高める公園」「高度防災都市を支える公園」「生命を育む環境を次世代に継承する公園」「豊かな生活の核となる公園」の4つの基本理念のもと、目標実現に向け、以下の10の推進プロジェクトを掲げている。
1.国際的な観光拠点となる公園づくりプロジェクト
2.庭園・植物園・動物園での「おもてなし」プロジェクト
3.公園の多機能利用と民間の活力導入促進プロジェクト
4.防災公園の機能強化プロジェクト
5.都立公園の安全・快適プロジェクト
6.水と緑の骨格軸形成プロジェクト
7.都立公園の生物多様性向上プロジェクト
8.自然とのふれあいプロジェクト
9.都立公園の魅力向上プロジェクト
10.パートナーシップ推進プロジェクト
このうち、「国際的な観光拠点となる公園づくり」では、上野恩賜公園を、日本の文化・芸術を発信する「文化の森」として再生、日比谷公園、井の頭恩賜公園など、明治・大正期に整備され東京を代表する公園を、歴史的・文化的価値に着目して保護・保全・再生するほか、オリンピック・パラリンピック競技会場等が配置される公園の整備、バリアフリー、ユニバーサルデザインの推進、多言語表記、無料Wi-Fi利用環境等の充実などを掲げている。
「防災公園の機能強化」では、大規模救出救助活動拠点に位置づけられた公園では、大型車両の通行に対応した入口・園路の改良、ヘリコプターが離着陸可能な広場の確保、照明・放送設備の整備を行う。避難場所になる公園では、通信・放送機能や情報提供機能の強化を検討。防災訓練や公園内の建築物の耐震化、街路樹の防災機能の強化を図っていくとしている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方