【エルサレム時事】国際NPO「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」は24日、パレスチナ自治区ガザで同日、ジャーナリスト2人がイスラエル軍の攻撃で死亡したと発表した。朝日新聞社はうち1人について、同社のガザ通信員ムハンマド・マンスールさん(29)だと明らかにした。残る1人は中東の衛星テレビ局アルジャジーラ所属。
 CPJは攻撃について、2人を標的としていた可能性があると指摘し、「ジャーナリストは非戦闘員であり、戦場で攻撃するのは違法だ」と非難した。CPJによると、2023年10月にガザで戦闘が始まって以降、ジャーナリストの死者は170人以上に達している。
 マンスールさんが所属するNPO法人の代表理事の把握した情報として朝日新聞が説明したところでは、マンスールさんは南部ハンユニスの自宅でイスラエル軍のミサイル攻撃を受けたとされる。一緒にいた妻と乳児の長男も死亡した。マンスールさんは23年10月から同社通信員を務めていたほか、CPJによれば、ベイルート本拠のテレビ局のジャーナリストだった。
 アルジャジーラによると、同局のジャーナリストは北部ベイトラヒヤ付近で車に乗っていたところ、空爆された。
 イスラエル軍はガザで軍事作戦を継続。最南部ラファでは24日、赤十字国際委員会(ICRC)の事務所が飛翔(ひしょう)体の爆発で損傷した。ICRCはイスラエル側に施設の位置を通知済みだったという。ロイター通信によれば、イスラエル軍は責任を認め、「攻撃の際、所有者が分からなかった」と釈明した。
 ガザからは24日、イスラエルに向けてロケット弾2発が発射されたが、迎撃された。
 
 ◇深い悲しみと憤り
 坂尻顕吾・朝日新聞社執行役員編集担当の話 イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザの状況を現地から伝えてくれたムハンマド・マンスールさんとその家族の死に深い悲しみと憤りを禁じ得ない。いかなる状況でもジャーナリストを含む民間人への攻撃は決して許されるものではない。イスラエルによるミサイル攻撃があったとの情報があり、詳しい状況確認のため取材を続けている。 
〔写真説明〕朝日新聞社ガザ通信員のムハンマド・マンスールさん(同社提供)
〔写真説明〕24日、パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤで、イスラエル軍の攻撃を受けて上がる煙(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)