損害保険会社が保険代理店への出向社員らから保険契約者情報を不正に取得していた問題で、金融庁は24日、東京海上日動火災保険など損保大手4社に対し、保険業法に基づく業務改善命令を出した。5月30日までに業務改善計画を提出するよう求めている。
 情報漏えいは遅くとも2014年度から始まり、4社で計約270万件に上る。金融庁は個人情報保護法や不正競争防止法上、不適切と判断しており、4社に対し経営責任の明確化も求めた。
 金融庁はまた、企業向け保険の価格調整問題を受けて4社が昨年提出した業務改善計画についても抜本的な見直しを要請。顧客保護重視の姿勢や法令順守体制の構築が不十分とみており、提出済みの改善計画の修正に踏み込むのは異例だ。
 業務改善命令の対象は、東京海上日動のほか損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の4社。
 4社は保険代理店を兼ねる自動車ディーラーなどからの一斉メールや、出向していた自社の社員から、競合他社の保険加入者などの情報を不正に取得。この問題で金融庁は昨年、4社に2度にわたり報告徴求命令を出している。
 業務改善命令を受け、東京海上日動は24日、「このような事態を二度と起こさないよう改善と再発防止に努める」とコメントした。 
〔写真説明〕金融庁=東京都千代田区

(ニュース提供元:時事通信社)