2014/12/26
防災・危機管理ニュース
東京都は12月25日、東京都の防災プランを策定したと発表した。首都直下地震や風水害などの災害に備え、オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに住民や企業、行政がそれぞれあらかじめ備えるべき防災の取り組みをまとめ、分かりやすい内容で示した。都は「世界1安全・安心な都市にふさわしい災害対応力を備えた都市」を目指す。
プランは、「区部・多摩地域における地震」「島しょ地域における地震」「都内各地における風水害」の3つの場面を想定し、時系列で想定される事態をシナリオ形式で記載しているのが特徴だ。
例えば地震に対しては、発災直後に強い揺れに襲われ、自宅が倒壊。数時間後には倒壊した家屋の1部から出火し、避難場所へ移動するが水も出なく、トイレには長蛇の列が並ぶといった、実際をイメージした踏み込んだ内容になっている。風水害に対しては、発災前、発災直前の段階から記載し、発災前の気象情報などの重要性を指摘した。
想定したシナリオをふまえ、プランでは2020年の将来像と、その実現に向けて備えるべき取り組みの方向性を記載した。各シナリオにおける将来像の概要は以下の通り。
・区部・多摩地域における地震
1. 建物の耐震化、更新等
2. 住民による救出活動の展開
3. 出火・延焼の抑制
4. 安全で迅速な避難の実現
5. 各種情報の的確な発信
6. 帰宅困難者による混乱防止
7. 円滑な避難所の開設・運営
8. 発災後3日間の生活を可能にする飲料水や備蓄品の確保
9. 公助による救出救助活動の展開
10. 迅速な復旧による早期生活再建
・島しょ地域における地震
1. 島しょ地域における迅速な避難の実現
2. 島しょ地域における備蓄・輸送体制の確保
・都内各地における風水害
1. 円滑な避難の実現
2. 浸水・土砂災害対策の充実・強化
「東京の防災プラン」の策定について(東京都)
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000019/1001121/1001559.html
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方