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AI活用は、予想以上に急速に進んでいる。それを活用しないことは、企業の競争力強化にとって大きなリスクになりかねない。とはいえ、活用すればそれでいいのかといった単純な問題でもない。当然のことであるが、競争力の構築に大きな影響を及ぼし始めているAI活用は、事業全体に影響を及ぼす意思決定に責任を負う取締役会および経営陣に対しても、リスクとなる。

株主からの委託を受けて経営にあたる経営トップは、AI活用なども含めて難しい局面での意思決定を求められる。そのため、最大限の注意義務を怠らずに下した意思決定は経営判断として守られるが、AIに過度に信頼を置きすぎた決定と見なされれば、適切な経営判断としては認められないというリスクとなりうる。適切な判断を下したとの主張が可能であることを示すことが、取締役には求められる。