東京工芸大学は12月17日、災害情報の活用に関する調査結果を発表した。「緊急地震速報を見聞きしたとき、どのような行動を取ったか」では、35%が「特に何も行わなかった」と回答。防災意識の薄れが浮き彫りになった。

調査は、2014年11月中にインターネットを通じ、全国の20代から60代までの男女それぞれ100人ずつ、計1000人を対象とした。

災害時の情報源についての項目では、情報の速さにおいて頼れるメディアとしてはテレビが最も高く82%。次いで緊急速報メール(65%)、ラジオ(49%)、ポータルサイト(32%)と続いた。「ソーシャルメディア上の口コミ」情報に関しては20代が最も高く21%。60代以上のシニア層は非インターネット情報として「地域(自治体・町内会・近所)」を頼りにする割合が20%と高かった。

災害情報の活用について、「緊急地震速報を見聞きしたときにどのような行動をとったか」では、「危険なもの(火元や陳列棚、ブロック塀など)から離れる」が最多で38%。「安全な場所に移動する(頑丈そうなビルに入る、エレベータでは最寄階に降りる)」(31%)、「頭を守る」(20%)と続く一方で、「特に何も行なわない」が35%にのぼった。

現在、政府が主に台風対策などで活用を検討している「タイムライン」については「内容はわからないが言葉は聞いたことがある」を含めると27%の認知率だった。回答者に対し改めてタイムラインの解説を行い、「警報の空振り」などのデメリットについても説明した後に行った調査では「日本社会にタイムラインが根付いてほしい」の回答は87%にのぼった。一方、「根付くのには時間がかかる」も83%となった。

「災害情報の活用に関する調査」(東京工芸大学)
http://www.t-kougei.ac.jp/static/file/research_disaster.pdf