【北京時事】中国の王毅共産党政治局員兼外相とニュージーランド(NZ)のピーターズ外相が26日、北京で会談した。ピーターズ氏は「ルールに基づく国際秩序」の重要性を強調。両国関係は最近、NZ近海での中国艦艇による軍事演習などで緊張状態にあり、NZ側の安全保障上の懸念を直接表明したもようだ。
 NZ政府の発表によると、ピーターズ氏は安定した安保・防衛環境とインド太平洋への政治的関与はNZの「基本的利益」だとも指摘した。
 中国海軍の艦艇は21、22両日、オーストラリアとNZの間の国際水域で実弾射撃訓練を実施。中国側の通告が直前だったため、多数の民間航空機が突然の航路変更を迫られた。豪州とNZは中国を強く非難したが、中国側は「国際法にのっとった演習だ」(外務省報道官)と突っぱねている。
 また、今月中旬には、中国を訪れた南太平洋の島国クック諸島のブラウン首相が李強首相と会談し、海底資源の開発協力を柱とする合意を交わした。NZは長年クック諸島の外交・防衛を支援しており、同国の対中傾斜に懸念を強めている。 
〔写真説明〕ニュージーランドのピーターズ外相(写真左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)