2025/02/24
防災・危機管理ニュース
【キーウ時事】3年にわたりロシアの侵攻を受けるウクライナ。多くの犠牲にもかかわらず戦況は思わしくなく、連日続く攻撃に人々は疲弊している。さらに最大の支援国だった米国は、ロシア寄りの姿勢を見せるトランプ大統領がウクライナをないがしろにするような発言を繰り返しており、人々の間には怒りとやるせなさが広がっている。
首都キーウ(キエフ)の独立広場で「トランプ氏の発言には怒りを禁じ得ない」と憤ったのはスベトラーナ・カジミルークさん(53)。夫が戦地にいることに加え、息子が健康を害しており、心労が重なっている。戦争終結を急ぐトランプ氏について「ビジネス感覚なのだろうが、そういう問題ではない」と切り捨てた。
避難先のポーランドから一時帰国し、キーウに滞在する学生のアンナ・バルシコさん(18)は「そもそも侵攻してきたのはロシアで、ウクライナの兵士は自衛しているだけだ」と語り、ロシアを擁護するトランプ氏に怒りを爆発させた。祖父が戦場で行方不明になり、2024年2月に死亡宣告を受けた。しかし遺体は見つかっておらず、「どこかで生きていると願っている」と声を詰まらせた。
キーウの医師ユーリーさん(42)は「トランプ氏は戦争を終わらせた指導者として名を残したいと考え、第2次大戦を勝利に導いたチャーチル英首相のようになりたいという野望を持っているのだろう。ただ、私はチャーチルの前任のチェンバレン首相に似ていると思う」と指摘。チェンバレンがナチス・ドイツに取った融和政策が第2次大戦を招いたと述べ、侵攻を始めたロシアに接近するトランプ氏は「誰よりも第3次大戦を引き起こす可能性が高い」と警告した。
〔写真説明〕戦死者を追悼する旗や写真が置かれた広場の一角=7日、キーウ
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
大阪・関西万博 多難なスタート会場外のリスクにも注視
4月13日、大阪・関西万博が開幕した。約14万1000人が訪れた初日は、通信障害により入場チケットであるQRコード表示に手間取り、入場のために長蛇の列が続いた。インドなど5カ国のパビリオンは工事の遅れで未完成のまま。雨にも見舞われる、多難なスタートとなった。東京オリンピックに続くこの大規模イベントは、開催期間が半年間にもおよぶ。大阪・関西万博のリスクについて、テロ対策や危機管理が専門の板橋功氏に聞いた。
2025/04/15
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/15
-
BCMSで社会的供給責任を果たせる体制づくり能登半島地震を機に見直し図り新規訓練を導入
日本精工(東京都品川区、市井明俊代表執行役社長・CEO)は、2024年元日に発生した能登半島地震で、直接的な被害を受けたわけではない。しかし、増加した製品ニーズに応え、社会的供給責任を果たした。また、被害がなくとも明らかになった課題を直視し、対策を進めている。
2025/04/15
-
-
生コン・アスファルト工場の早期再稼働を支援
能登半島地震では、初動や支援における道路の重要性が再認識されました。寸断箇所の啓開にあたる建設業者の尽力はもちろんですが、その後の応急復旧には補修資材が欠かせません。大手プラントメーカーの日工は2025年度、取引先の生コン・アスファルト工場が資材供給を継続するための支援強化に乗り出します。
2025/04/14
-
新任担当者でもすぐに対応できる「アクション・カード」の作り方
4月は人事異動が多く、新たにBCPや防災を担当する人が増える時期である。いざというときの初動を、新任担当者であっても、少しでも早く、そして正確に進められるようにするために、有効なツールとして注目されているのが「アクション・カード」だ。アクション・カードは、災害や緊急事態が発生した際に「誰が・何を・どの順番で行うか」を一覧化した小さなカード形式のツールで、近年では医療機関や行政、企業など幅広い組織で採用されている。
2025/04/12
-
-
-
防災教育を劇的に変える5つのポイント教え方には法則がある!
緊急時に的確な判断と行動を可能にするため、不可欠なのが教育と研修だ。リスクマネジメントやBCMに関連する基本的な知識やスキル習得のために、一般的な授業形式からグループ討議、シミュレーション訓練など多種多様な方法が導入されている。しかし、本当に効果的な「学び」はどのように組み立てるべきなのか。教育工学を専門とする東北学院大学教授の稲垣忠氏に聞いた。
2025/04/10
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方