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危機管理の神髄
世界は狂った
鉄のカーテンの両側で政治家と将軍たちは、もし、相手側がこちらを皆殺しにするなら、相手側も皆殺しにすると保証した。つまり、われわれは人間を抹殺することに同意することで、人間性を維持するのである。 ルイス・ラプハン 「化石の森」
2019/07/12
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危機管理の神髄
すべての災害の母
未来を垣間見ることができれば、どうだろうか。 もし、全ての起こるかもしれない災害と、それがもたらす全ての悪いことを見ることができたら、どうだろうか。ハリケーンによる大洪水、地震で倒壊した建物、停電でスーパーマーケットの空っぽの陳列台や凍える住宅、バイオテロ攻撃の死者など、それらの全ての悪いことを足し合わせてみる。それは、どのように見えるだろうか。
2019/06/28
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安心、それが最大の敵だ
災害列島日本、平成は大災害が多発
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖(すみか)と、又かくのごとし。…」。言うまでもなく「方丈記」(鴨長明)の冒頭部分である。鎌倉初期の名だたる随筆であり、人生の無常観を活写した文学作品として知らない人はいない。この著名な作品は、また傑出した「災害文学」とも言えるもので、同時代の都・京都を襲った地震・風水害・火災を活写してやまない。生き地獄とも言える描写も少なくないのである。
2019/06/24
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危機管理の神髄
Shit happens -最悪の事態も起きるー
9.11の後、インテリジェンス・コミュニティ(政府が設置している情報機関によって組織されている機関)では攻撃が差し迫っているということが多くの人の目に明らかだった。ハリケーン・カトリーナの後、ニューオーリンズのインフラの強化が大幅に遅れていることもよく知られていた。 ナシーム・ニコラス・タレブ(ブラックスワンの著者)によれば、ブラックスワンはきっかけとなるインシデント(出来事)、あるいは一連のインシデントの産物なのだと説明するのは、偶然にだまされているのである。事後でさえ大災害の原因を理解できると考えるのはばかげている。結局のところ科学者たちは、相当の努力をしたにも関わらず、地震やテロ攻撃のタイミングを正確に予想することはできなかった。大災害の原因を突き止めるというのは大体において後付けの試みである。
2019/06/14
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危機管理の神髄
想像上の友人 人間のもろさ
我々は何度も同じ問題に直面した。受け身の抵抗、曖昧、そして無視である。我々は人が何を言うか、それをいつ言うかが分かるまでになった。奇妙に思うかもしれないが、この現象を説明するために想像上の友人を作ることにした。その名はブルースである。
2019/05/31
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危機管理の神髄
希望が煉瓦壁になる 我々は自らの脆さを忘れがちである
ベッドからはい出して床に倒れたとき肌に分厚い煙が押し付けられるのを感じる。できるだけ床に近くいるのがよいと誰かが言っていたことを思い出す。しかしそこに救いはない。熱と酸素不足があなたの心臓をどきどきとさせる。希望は遠のいていき、もう終わりだと悟る。意識を失いつつあるとき、遠く家のもう一方の端で、煙感知器がピッチの高い音を出すのを聞く。近くの煙感知器用に買っておいた新品の電池が使用されないで台所のカウンターにある。あなたの命を救ったかもしれない電池であるが交換されることにはならなかったものである。
2019/05/17
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首都圏における津波被害を考える
首都圏に本社を置く企業などから、巨大地震が発生した際の津波被害について、どう備えればいいのか、不安の声が上がっている。現在、首都圏における津波被害想定としては、東京都が1703年の元禄関東地震が起きた場合を最悪のシナリオとし、23区内では最大2.61メートルの津波高になると試算している。一方、神奈川県では、1605年の慶長地震が起きた場合を最悪のシナリオとし、横須賀市で9.2メートル、横浜市4.4メートル、川崎市3.5メートルと想定するなど自治体によって被害想定には大きな差がある。想定される被害や必要な対策についてどう考えればいいのか、東北大学災害科学国際研究所所長の今村文彦氏に聞いた。
2019/05/13
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危機管理の神髄
重要なインフラ サイバー脅威
電力・病院・サプライチェーン・通信・小売店・公共輸送・銀行といった重要なインフラからなるすべてのシステムに共通していることがある。ワールド・ワイド・ウェブとして知られる危険な荒れ野に融合されていることである
2019/04/26
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危機管理の神髄
最重要なインフラー電力
重要なインフラのリスクと言えば電力である。電力はいわゆる本源的入力であり、それがなければ何も動かない。 日々の生活を可能にする電気は発電・送電・配電設備の膨大なネットワークによって供給される。全国高圧送電線網として知られるものであり、複雑になりもろくなる一方である。 老化がある。送電線と変圧器の70%は少なくとも25年を経ている。
2019/04/12
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危機管理の神髄
リスクの強烈さ 大災害、高まる脆弱性
「ようこそ、世界の交差点へ」 路線①の電車がタイムズスクエア地下鉄駅へ入線してくると何十年来使い古されたスピーカーから車掌の大きなよく聞こえる音声が流れる。ニューヨーク、それは金融・テクノロジー・アート・ファッションの国際センターである。ハドソン湾とイーストリバーが合流して大西洋に注ぐところにできた広大な自然の港を取り囲んでいる。エンパイアステート・ビル、セントラルパーク、そしてタイムズスクエアのネオンなどを見に訪れる観光客は毎年6000万人にのぼる。それは眠らない都市である。しかし、そこで暮らす850万人の住民にとっては、ビッグアップルのバイタリティには、日常の仕事をやっていくうえで不都合な点もある。
2019/03/29
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昆正和のBCP研究室
第2回:「災害は増えている」はフェイクか?
数年前、アマゾンのサイトで「地球温暖化」をテーマとする本を探していたところ、「地球温暖化なんてうそである」という主張の本が人気ランキング上位にずらりと並んでいるのを見てあ然としたことがあった。今でこそある程度バランスのとれた本が並んではいるが…。
2019/03/20
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もしも大災害で社員が被災したら?
被災するという現実
大きな自然災害で「被災する」とどうなるのかをイメージしてみましょう。倒壊した建物、寸断した道路や橋、停止した交通網、断絶した通信インフラ…。誰でも真っ先にそのような目に見える住宅や街の被災した光景を思い描くでしょう。でも、その被災地となった街には、そこに住み、仕事をしていた、「人」がいたはずです。それはあなたの会社の社員かもしれませんし、あるいはあなた自身かもしれません。
2019/02/27
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日赤、平成の災害を振り返る展示
日本赤十字社は19日、東京都港区の本社内にある赤十字情報プラザにおいて「平成の災害と赤十字」と題した展示会を開始した。3月29日まで開催。東日本大震災や阪神・淡路大震災、熊本地震といった平成に起こった災害についての展示を行っている。同日にはトークセッションも開催。日本赤十字社救護・福祉部次長兼地域包括ケア推進室長の白土直樹氏や神戸市にある阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター主任研究員の菅野拓氏らが登壇した。
2019/02/19
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被災を前提にした災害への備え
落雪など雪の後の雨が怖い
暖冬少雪の今年、筆者の住む新潟長岡は例年1mを越える雪の壁に覆われるのが、今年はこれまで10cm程度。あとひと月この気候が続けば春の便りも近そうである。
2019/01/31
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災害時に電力会社サイトコピーし誘導
ヤフーは地方自治体などと災害協定を締結し、情報発信に注力している。11月19日に、主要電力会社で構成する電気事業連合会(以下、電事連)と、同様の協定を民間と初めて締結した。災害時に各電力会社のホームページのキャッシュサイトを開設し、停電など円滑な情報発信を図る。
2018/12/26
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被災市区町村にドローン無料貸出
ドローンのレンタルサービス「ドロサツ!!」を手掛けるDrone supply & control(ドローン サプライ アンド コントロール、東京都千代田区)は、地震や台風などの災害で被害を受けた市区町村への災害支援として、無料でドローンを貸し出す活動を1日から開始した。
2018/11/06
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豪雨の中、要支援者や地域住民の安全を確保
7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県で、河川の洪水や土砂災害に備えて、早くから防災活動に取り組んできた社会福祉法人がある。7月豪雨では、大きな被害にこそ遭わなかったが、防災マニュアルに基づき、降雨量や河川の水位、ダムの放水量などをこまめにチェックし、早期に低層階にいる入所者を高層階に避難させ、また、地域住民や高齢者・障害者も受け入れるなどの対応をした。
2018/10/05
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安心、それが最大の敵だ
避難指示を受け取る側に立った情報提供のあり方
毎年のように日本列島を襲う水害・土石流・地震などの災害時における避難勧告や避難指示のあり方がクローズアップされている。災害時に、地元自治体などが発する勧告・指示が地域住民に適切に(タイムリーに)伝わっているのか、疑問視する声も聴く。同時に、勧告・指示を受けた地元住民が避難しようとしない「勧告無視・避難拒否」も重大な社会問題になっている。
2018/09/18
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そのボランティア活動、被災者のために有効か
「そのボランティア活動は本当に有効性が検証されたものなのか?と思うことがよくあります。あらゆるものの判断基準が情緒的で、正面から議論できない雰囲気になっているんです」と指摘するのは、神奈川県川崎市在住の高田昭彦さん(54)。
2018/09/14
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災害備え水のバランスシート作成を提言
レジリエンスジャパン推進協議会は27日、「提言書~災害時の水の確保~」と題した提言書を小此木八郎・国土強靭化・防災担当大臣に手渡した。同協議会の「水のレジリエンスワーキンググループ(WG)」でとりまとめたもので、「災害時確保水」と称し、地域ごとに災害時に確保すべき水の量の把握と調達手段の用意などを呼びかけたものとなっている。
2018/08/28
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危機管理の要諦
7月豪雨で被災した中小企業がすべきこと
西日本を中心とした豪雨災害により、企業にも大きな影響が出ている。洪水や土砂崩れにより施設そのものが被災してしまった企業も少なくないだろう。被災した企業は今後どのように復旧を行えばいいのか。中小企業の災害対応の流れをまとめてみた。
2018/07/10
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ドローン・ロボットで災害対応など推進
ドローンソリューション事業を手がけるブイキューブロボティクスは1日付で社名を「株式会社センシンロボティクス」に社名を変更。第三者割当増資などで総額約12億円の調達も行った。今後、ドローンに限らずロボットを活用し、災害対応や労働問題の解決などに努めていく。
2018/07/10
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立地や耐震性など注意し庁舎機能継続を
国土交通省は18日、「防災拠点等となる建築物に係る機能継続ガイドライン」を発表した。災害対策拠点となる庁舎や病院、避難所となる学校といった災害時重要な役割を果たす施設整備にあたって、大地震など災害時に機能を継続できるように耐震など強い構造体、設備の充実やライフライン途絶の対策などを盛り込んだ。
2018/05/22
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災害時の情報集約、クラウドで革新
日本オラクルは、大災害時に被災地で自治体と被災住民との間でインターネット上で簡単に使える情報プラットフォームを開発。このほど茨城県つくば市の防災科学研究所の一般公開イベントで、来場者向けにイベント運営システムとして実用化に成功した。現場のニーズに合わせて迅速にソフト開発ができるアジャイル方式を採用。これまで困難だった被災者側からのニーズ把握や、膨大なデータをもとにした災害検証にも役立てることを目指す。
2018/05/14
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災害・労働安全向上へドローン活用を
国土交通省が事務局を務めるインフラメンテナンス国民会議は10日、「『ドローン×インフラメンテナンス』連続セミナー」の第1回を東京都港区の日立製作所で開催。約220人が参加した。国交省など行政や民間企業、研究者などからドローンの災害やインフラ点検への活用について報告が行われた。
2018/05/11