埼玉県八潮市の道路陥没事故は、4日で発生から1週間。現場内部で湧き出る水の影響で一進一退の救出活動が続く中、節水を求められている周辺住民らは3日、転落したトラック運転手(74)の救出を祈るとともに、道路や水道の早期復旧を願った。
 重機の音が響く現場ではヘルメットをかぶった男性らが一様に険しい表情で作業に当たっていた。半径50メートルの警戒区域そばに住む自営業中田行成さん(63)は「よく利用している道路だった。自分が落ちなかったのは運が良かっただけかもしれない」と様子を見守った。
 シャワーの頻度を減らしているという50代の主婦は「運転手の男性がまだ見つかっていないのが心配。早く救助してほしい」と語った。
 八潮市役所内で営業する食堂では、洗う皿を減らすため、定食の小鉢をなくし、大皿一枚でおかずを提供。経営者の松田航介さん(47)は「道路が封鎖され、客足が遠のいている。早く復旧してほしい」と話した。
 カレーライスなどのメニューを使い捨ての紙皿で提供している喫茶店のオーナーの男性(60)は「すごく不便だ」と疲労感をにじませた。 
〔写真説明〕埼玉県八潮市の県道交差点で発生した道路陥没現場=3日(草加八潮消防局提供)

(ニュース提供元:時事通信社)