日銀の追加利上げで「金利のある世界」が一段と進展し、家計と企業への影響も拡大しそうだ。預金金利の引き上げなどでプラス影響が期待される半面、住宅ローンや企業向け融資の金利が上昇。多額の負債を抱えている場合などは負担が増す可能性もある。
 みずほリサーチ&テクノロジーズの試算によると、政策金利が0.5%に引き上げられ、長期金利が1.25%程度に上昇すると、家計全体で年間約6000億円のプラス効果が生じる。預金や株式など金融資産の利回りが改善して収入が増えるためだ。
 ただ、住宅ローンなど多額の負債を保有する世帯に限定するとマイナス影響が上回り、1世帯当たり年平均1.5万円の負担増となる。特に資産形成や住宅ローンの返済が途上にある若年層ほど影響が大きく、29歳以下で年平均4.3万円、30~39歳で同3.8万円負担が増える。
 昨年7月の前回利上げ決定後、定期預金などの金利とともに、変動型住宅ローンの基準金利を引き上げた銀行も多い。今回の追加利上げを受け、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は基準金利の指標となる短期プライムレートを現行の1.625%から1.875%に引き上げると発表。ローン金利は今後さらなる上昇が見込まれる。 
〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区

(ニュース提供元:時事通信社)