ロシアのプーチン大統領が議長を務める新興国グループ「BRICS」は、新たに加入を希望する国を「パートナー国」として明確化すると確認した。同国中部カザンでの首脳会議は3日目の24日、加盟国と新興・途上国「グローバルサウス」による会合を行って閉幕。BRICSを事実上拡大し、各国の連携を強化する方針だ。
 「グローバルサウスからの多大な関心を歓迎し、BRICSパートナー国の資格新設を支持する」。23日に加盟国が採択した「カザン宣言」はこう強調した。
 BRICSには今年1月、イランやエジプトなどが正式に加盟。非西側諸国による枠組みのさらなる拡大について、中国が前のめりになる一方、インドなどは慎重で、反米的色彩を強めることにも反対とされる。
 ウクライナ侵攻を続けるロシアは、西側諸国から対ロ包囲網を敷かれており、グローバルサウスを取り込んで孤立回避を図りたい考え。今回、加盟国手前のパートナー国を新設することで、拡大を巡る中印の思惑にも配慮した格好だ。
 カザン宣言は「制裁を含む一方的な強制措置がもたらす悪影響を深く懸念する」とも明記。プーチン氏にとっては、侵攻開始後に自国で催した初めてかつ「最大の外交行事」(高官)で成果を得たことになる。
 プーチン氏は24日、グテレス国連事務総長と会談。侵攻を巡って国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状が出される中、BRICSの議長として国際社会に手腕をアピールし、ウクライナが糾弾する「戦争犯罪者」のイメージを払拭する狙いがあるとみられる。 
〔写真説明〕23日、ロシア中部カザンで開催された新興国グループ「BRICS」首脳会議の関連会合に出席したプーチン大統領(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)