2024/10/23
防災・危機管理ニュース
【北京時事】中国の習近平国家主席は22日、ロシア訪問を開始し、24日までの日程で新興国グループ「BRICS」首脳会議に参加する。米欧主導の国際秩序の切り崩しを図る習政権は、新興・途上国と連携して対抗軸を構築したい考えで、加盟国の拡大に前のめりだ。
BRICSは昨年の首脳会議で、南アフリカ以来となる加盟国の増加を決定。イランなど4カ国が新たに加わった。習氏と、国際的孤立を回避したいロシアのプーチン大統領の思惑が一致し、働き掛けを強めた結果だ。
中国の官製メディアは「拡大したBRICSが世界の国内総生産(GDP)に占める割合は、購買力平価換算で先進7カ国(G7)を上回る」と強調。タイやトルコなど30カ国以上が新規加盟に関心を示しているとして、影響力の増大を誇示する。
新興・途上国にとって、巨大な経済力を持つ中国とのつながりに加え、国際社会において新興国がより大きな発言権を持つべきだという習政権の主張は「魅力的に響く」(北京の外交筋)。
一方で、加盟国や加盟検討国の立ち位置はまちまちだ。ブラジルは米中間のバランス外交を重視し、日米豪と「クアッド」を形成するインドは中国との間で国境紛争がくすぶる。タイやいまだ正式には未加盟と報じられるサウジアラビアは米国と同盟関係にあり、BRICSが反米的色彩を強めれば距離を置く可能性がある。
BRICS拡大を推進する習政権だが、加盟国が増えれば、統一的な方向性を打ち出すことが困難になるとのジレンマも抱えている。
〔写真説明〕中国の習近平国家主席=22日、ロシア・カザン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- BRICS
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方